2.巡り

低気圧が通り過ぎる
窓辺に観測点ひとつ


日々はもつれているから
意味のない遊び繰り返そう

数字列が文化になる頃も
私たちなら

あらゆることを
丁寧に笑い話にしながら
細いゆび踊らせては
好きなもの増やすだろう

昼にも夜にも似合う
あの子の声が寄せてくる

巻き上がる日々の合間で
折をみてフレーズを探そう

あらゆることを
丁寧に笑い話にしながら
細いゆび踊らせては
好きなもの増やす

まだ誰も知らない満ち欠けについて
ここでそっと唱えるのを聴いていてほしい
巡ってみてほしい

災害があったとき、それについて触れるのは凄く難しいです。昨年の台風19号のあと、なんだかずっと悲しかったけど、いつもと変わらずご飯を食べている私がどうして泣きそうなんだろうと。どうしてしんどいと言えるだろうと。数日後、台風で氾濫した川のそばに住む友人と数人で当日のことも話しながらご飯を食べて、たまに大笑いしました。帰り道は足が軽くて、本当に、空を見上げたりしました。悲しさを含んだモヤモヤが晴れて消えるということはないけど、友人を、その時間を、好きだと思いました。今後も苦しいことがあって、その隙間に落ちていることを、いつか笑い話にするかも知れないです。そんな風にしながら、自分の好きなものが増えていきます。

すれ違った人の違和感や、理科の授業と社会の授業が繋がった瞬間。まだ誰も気付いていない素敵なことを見つけたら、話してみたいです。大丈夫です、私たちなら、と歌いたかったです。